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「セミのぬけがら」で環境について調べてみよう!

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材料

セミのぬけがら 図鑑 記録用ノート

内容

・「セミのぬけがら」で環境について調べる。
・身近なセミの種類とそれらが好む環境の特徴(都会型、森林型など)に分ける。
・セミのぬけがらを使った環境調べの指標を作ることができる。

詳細

 セミは幼虫時代に土の中にいます。そして、成虫になる前に穴から地面に出てきて、木などに登って羽化します。どの幼虫も樹木の根の樹液などを土の中で吸って生活しているので、セミの好きな樹木があることと、樹木の下の土が硬くなく、できれば低木などでさらに暗く覆われている環境を好むようです。

 セミの幼虫も他の生物と同様に、種類によって適した環境に生息しています。身の回りでよく観察されるセミの種類について本やインターネット、博物館・科学館で調べて、各自で大まかに「都市型や森林型」に分けた「セミのぬけがらを使った環境調べの指標」を作ってみてください。
 例えば、クマゼミとアブラゼミの幼虫は都市化された環境でも生息可能な上、木や壁などに登って羽化していることが多いので、「都市型」のセミと決めます。また、ニイニイゼミやツクツクボウシ、ミンミンゼミの幼虫は森林の環境を好むセミで、羽化のために穴を開けて出てくる土の表面が柔らかく、暗い条件を好むようなので、「森林型」とします。特に、ミンミンゼミがこの森林型の代表といえましょう。

 セミの幼虫が残したぬけがらは、おそらく好んで吸っていただろう樹木の種類と場所、さらにセミの種類を教えてくれます。そこで、身近に見つけられるぬけがらの「見分け方」を覚えておくと便利です。

 分類するための重要ポイントは、「体長と顔の額と触覚」です(特に、触角は大切ですので、折らないように注意が必要です)。
(1)調べたい場所を決める。
(2)調べたい場所を含む地域で観察されるセミの種類を博物館や科学館、本で調べる。
(3)調べた結果から、身近なセミの種類とそれらが好む環境の特徴(都会型、森林型など)から、「セミのぬけがらを使った環境調べの指標」を作る。
(4)(1)の場所へ行き、観察する複数の樹木を決める。
(5)(1)の場所の(4)の樹木について、夏休み期間などを利用してセミのぬけがらを継続的に集める。
(6)セミのぬけがらを分類(種類、雄雌)する。
(7)すべてのぬけがらの分類結果から、(3)の指標を使って、(1)の場所の環境について「都市型」か「森林型」かを考察する

 体長が約3㎝を超え、横から見た額が大きく角張っている大型のぬけがらがクマゼミのもの。続いて、体長が約2.5~3㎝程度で、横から見た額は丸いぬけがらはアブラゼミかミンミンゼミ。この2つの区別は、触角の第3節が頭側の第2節の約1.5倍ならアブラゼミ。第3節が第2節とほぼ同じ長さで細ければミンミンゼミのぬけがらとなります。最も小さなぬけがらは体長2.4㎝以下のニイニイゼミのもので、体が丸く、泥が全身によく付いています。ニイニイゼミとアブラゼミ・ミンミンゼミの中間の大きさで額もやや丸いのがヒグラシとツクツクボウシです。ツクツクボウシは丸い額が前方により長く出ていて、触角の第4節が額側の第3節よりも短い特徴があります。ヒグラシの触覚の第4節は第3節よりも長い点が特徴です。

 観察では、できれば近くの観察地点と観察を続ける複数の木を選びます。ぬけがら集めはできれば夏や夏休み中に毎日継続して行い、記録と保管を続けるのがよいでしょう。分類は、写真を見ながら行います。オスとメスの区別は産卵管が目印ですから、この点にも注意してみてください。ぬけがらの種類がわかったら。観察日・天気と見つけた木とセミの種類、雌雄を記録しましょう。 

 まとめ方の一例を紹介します。まずは、集めたぬけがら全部の種類毎の数を使って円グラフを書いて、観察点で普通に見られるセミの種類と量的な関係を表します。この円グラフと各自で決めた「セミのぬけがらを使った環境調べの指標(青が都市型、緑が森林型)」を使って、観察点の環境について考察してみましょう。
続いて、横軸を観察日と天気、縦軸をぬけがらの数としたグラフを作り、そこへぬけがの種類毎に数をプロットして、折れ線でつなげます。このグラフから、種類毎の羽化の時期が考察できるでしょう。また、種類毎の雄雌のグラフを作ると、雄雌の違いによる羽化の時期のずれを考察することができるでしょう。

関連実験
No.264「セミを捕まえよう」
No.552「セミの抜け殻を集めよう」
No.698「セミの鳴き声を聴こう -ヒグラシ-」
No.699「クマゼミを手づかみしよう」

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 生態 探求心 564
夏

山
普通
少ない
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