平成19年度 化学系総評

熱意にあふれる有望な研究テーマが多数申請された。選考委員会は全申請を丁寧に審査し、慎重に判定した。今後の参考のため、申請者に伝えたいメッセージを以下に列記する。

  1. 申請の内訳は化学の全領域にわたり、採択された申請もほぼ偏りがなかった。新規触媒の開発や活用に関する申請の採択率がやや高めであった。
  2. 大きな研究テーマの一部を分担するという研究が少なからずあった。特に大きな規模の研究機関からの申請にありがちな傾向で、そこからは若い研究者の個性を読み取りにくかった。それらの申請の見栄えのよさに惑わされないよう審査した。
  3. 研究計画については、具体性や実現性が重要である。しかし、一年で実現できるとは考えられない壮大な計画を盛り込んだ申請が増えている。競争に勝つための方策と考えてそうしているのであれば、それは稚拙な行為であると認識すべきである。
  4. 修士課程の学生からの申請には、本人が本人の構想を本人の言葉で書いたとは考えにくいものが多かった。博士課程3年になる学生からの申請には、実現性を見据えた信頼のおけるものが目についた。
  5. 選考に当たっては、申請の動機をチェックした。<数ある助成のうちのひとつ>としての申請よりも、<他から助成を受けにくい理由付けが明確>なものを優先した。
  6. <研究室の外部資金の獲得>をめざしての申請は本助成の趣旨から外れる。本助成の趣旨は、若い研究者の主体的研究を支援することである。にもかかわらず、指導教授の指令の元に申請が取り揃えられたような、本助成の趣旨にそぐわない申請が少なからずあった。
  7. 同一の研究室から大量の申請が出ているケースについて付言したい。同一研究室からの複数の申請をそれ自体問題視しないが、現実には、推薦書がおざなりであったり、内容が画一的であったりして、評価の低いものが多かった。それらの中には、テーマが異なるのに支出計画は全く同一というものがあった。推薦者の署名が本人のものでないケースもあった。これについては当事者に猛省を促したい。

化学系選考委員会委員長

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