平成20年度 生物系総評

申請の内容や研究レベルは年々高くなっていることが伺われます。実際の選考では、当助成の選考趣旨に明記されています「独自性」と「他からの研究助成の得がたい」研究を優先的に評価しました。研究内容は先端的なものからローカル色のある独自のテーマまで、多岐にわたりました。また、生物系はマクロなテーマから分子的な研究まで幅が広く、それぞれの分野の特色を生かしつつ、適切な研究テーマが設定されているか、助成金の使途は適切か、などに主眼をおいて審査しました。以下に、審査員からの具体的なコメントを要約します。

  1. 多くの審査員が、大規模研究組織からの申請について、その使途などに関して多少の疑念を表明しました。背後には大きな研究資金が存在し、本助成金は旅費などの個人的な用途に利用されるのではないか、ということであります。もちろんこれらの研究を排除するものではなく、「日の当たらない、しかし独創的な」研究の援助を主眼としつつ、研究内容に関しては公平に審査しました。
  2. 研究を助成する1年間で一定の研究成果があがり、その成果が次のステップにつながると考えられる計画は高い評価を得ます。一方、1年では達成が困難と思われる過大なテーマを掲げる例も散見され、そのような申請は評価が低くなる可能性があります。また、専門外のひとにもその研究のおもしろみが伝わるような工夫が求められます。
  3. 同一研究室あるいは同一教員の指導で複数の申請がなされる際に、具体的な研究内容が類似しているものが一部で見られました。複数申請の際には、この助成があくまでも個人の研究であることに留意して欲しいと思います。この点に関して、「本助成への応募動機」欄は重要で、「研究の目的」と同じ内容ではなく、本助成の趣旨と申請の整合性についてきちんと書かれていることが必要です。
  4. 上にも述べましたが、独創的な研究や地域にねざした研究は高い評価を得ました。応用的、実用的な研究ももちろん審査の対象にはなりますが、あまりにも応用・実用に傾くものは必ずしも高い評価を得ませんので、注意をして下さい。
  5. 最後に、どの書類を見ても、本助成に対する若手研究者、女性研究者、外国人研究者の期待が読み取れます。今後とも審査員としては、これらの期待に応えるべく、真剣な審査をしていきたいと考えています。

生物系選考委員会委員長

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