平成20年度 複合系総評

今年度の複合系分野は学際的研究の申請が多く、優劣をつけるのがかなり難しい状況が生じました。しかし、中には、複合系領域よりも別の領域に申請すべき研究テーマが散見されました。どの領域に申請するか十分に検討して下さい。関連する分野別に見たコメントを以下に記します。

  1. 生物関連

    文理融合型研究に従来は見られなかった研究計画がかなり認められました。例えば、人間活動によってもたらされた社会問題を実験・観察結果に基づいて研究方向を見出そうとする研究などです。

  2. 化学関連

    「バイオ+工学」分野の申請が増えました。比較的小規模の研究室の非常勤研究員や学生からの申請にはユニークなものが数多くありました。ただ、ユニークさだけでは不十分で、しっかりしたモチベーションと練った研究計画が必要です。

  3. 保健・医療・福祉関連

    急速な少子化社会をバックとした医療・福祉政策への基盤となるような研究を重視しました。研究目的をしっかり定め、それに焦点を合わせた研究計画を評価しました。

  4. 地質学・地理学関連

    先行研究として行われている材料を他のものに置き換えただけの申請が見受けられました。その際は特にその意義を明確に説明しておく必要があります。教育・社会学的な研究テーマでは、実際の現場に役立つ研究を目指したものが数多くありました。このような研究では調査の方法や間口が広くなりすぎたり、調査地域や対象校の選定が曖昧であったりするものが見受けられました。採択されたらすぐに取りかかれることを念頭に置くべきであろうと思います。

    最近の傾向として海外をフィールドにする国際的な調査が目立ち、若手研究者の関心と活動の場が、グローバルになりつつあることを感じました。

  5. 文化財保護関連

    文化財保護のために、さまざまな科学・技術の手法を導入しようとする研究テーマが増加しているように感じました。従来の学問の枠組みに納まらないようなところにおもしろい研究テーマがあることを実感しました。

複合系選考委員会委員長

人材の育成Research promotion

logo

本会の主な事業は、ボートレースの交付金による日本財団の助成金を受けて実施しております。