平成20年度 海洋・船舶科学系総評

申請内容は多岐にわたり、一定傾向を指摘することは難しいですが、高いレベルの研究、新しい芽生えを感じさせる研究、周囲からのサポートがあまり期待できない中で孤軍奮闘する研究などが目につきました。また、地球環境・資源の保全・管理を目指す研究が増え、モデリングの研究はほとんどなく観測研究が数多くありました。選考委員が感じたこと、重視したことを以下にあげます。

  1. 海洋科学は物理学、化学、生物学を基礎とする応用科学です。それゆえ、海をより深く理解するという観点から評価され、海の諸問題解決により大きく貢献する可能性のあるものがより高い評価を得ました。一方、その目的とするところが基礎学の範疇と見られるものは低い評価となりました。
  2. 船舶科学は船が関わるすべてについての実学です。従って、予期される研究結果が、船が関わる諸問題の解決により有効と判断される場合により高い評価を得ました。
  3. 助成金額も、期間も限られたものです。その範囲内で何ができるか、何をやるかをよく考えて研究計画を作り、それが分かるように書いて下さい。
  4. 本研究助成ではユニークさが特に重視されます。研究室の研究テーマの一部を担うようなもの、指導する先生のアイデアをそのまま引き写したようなものは低く評価されました。逆に、新しい考え方、これまで使われなかった技術を利用したものなどが高く評価されました。
  5. 得られた一次データを既存の解析ソフトを購入して結果を検討するという内容の研究がみられますが、一次データそのものの確からしさの検証も重要です。
  6. 他の助成制度では申請しにくいもの、すなわち、他では取り上げられる可能性が低いものも積極的に取り上げていますので、特に人文・社会科学系の研究や日本学術振興会の科学研究費補助金の分科細目の中に的確なものが見あたらない研究などには、むしろ好機とみなしてよいでしょう。
  7. 助成金額が大きくないので、申請した研究を進めるにあたって既存の設備や経常的研究費を利用する場合が多いと思います。その際、この研究費が何故必要か、この研究費が如何に有効に働きそうかをアピールすることが望ましいといえます。

海洋・船舶科学系選考委員会委員長

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