平成20年度 実践系総評

本会研究助成に、博物館・図書館等生涯学習関連分野や医療・心理・介護・学校教育分野の現場の専門的立場にある者を助成対象とする「実践研究部門」が設定されて2年目の今年度は、研究計画書作成に関し研究のとらえ方、研究の方法等について、昨年度厳しく指摘したためなのか、申請数が数十件減少しました。しかし、初年度と比較すると、研究計画書の改善の努力が見られたり、本協会助成の主旨に沿った実践研究にふさわしいコンセプト、高度な内容のものが少なからず見られました。このような研究を奨励する観点から、今年度申請書評価を通して全般に留意すべきと思われる点を以下に挙げ、今後の参考に供したいと思います。

  1. 研究計画書作成に当たって、文章力の不足が感じられるものがあります。研究内容を精査し、的確な、かつ説得力のある文章で表現して下さい。また、推薦者は申請者の計画書を十分に点検して記載して下さい。
  2. 実践研究の「実践」のとらえ方が申請者によって異なりますが、概ね広義の人間サービスにかかわる実践として理解されているようにも思われ、これが本助成事業の新たな特徴になり得るという観点から今後の推移を見守りたいと思います。勿論、学術研究なのか、実践研究なのか、については次第に明瞭になっていくでしょうが、研究計画の際に、なお吟味する必要があります。
  3. 同一研究室、同一機関等から複数の申請をすることはよいと思いますが、その際、研究内容、方法等において新規性、独創性、あるいは実践研究にふさわしいかどうか、それぞれに十分に吟味したものであって欲しいと思います。
  4. 申請者の所属する機関にしか該当しない研究ではなく、研究の成果が広く同種の他の機関等の参考資料になる研究が本助成の期待する点であることを、申請者はよく認識する必要があります。その点では、博物館の研究において近年博物館のあり方、とくに社会的存在としての博物館が地域社会と如何にコミュニケーションしていくか、地域との連携に着目したテーマが徐々に増えてきていることは望ましく、研究成果の他への波及が期待されます。
  5. 研究計画に即した支出計画が必要です。旅費や謝金、データベース化の費用、アルバイト費に偏していたり、図書費、所属機関で具備すべき経費と思われる点も見受けられましたので、詳細に検討して計画書を作成する必要があります。
  6. 地域の再生、地域の振興、地域経済や地域文化の活性化など「地域」にかかわる今日的課題への研究を今後期待します。例えば、地域ぐるみの子育て、地域の学校教育参加・支援、地域介護、地域コミュニティづくり、文化による地域振興等が考えられます。

実践系選考委員会委員長

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