平成21年度 生物系総評

本年もまた、力のこもった申請が多く寄せられ、この助成に対する(特に若い方の)期待がどれほど大きいかを実感させられました。本年は応用(特に医療系)に向けた研究が少し増加したように思われますが、一方多様な生物種を対象とした興味深い基礎的テーマも見られました。研究の対象は、生物学の広い範囲におよび、方法も分子生物学的な手法からマクロな技法まで多岐にわたっていました。また、かつて研究されたユニークな生物現象を、新しい視点と分子的な技術を用いて解析しようとする研究も散見され、高い評価を得ています。

大規模研究室からの申請における、研究室全体のテーマと個人のテーマの関係については、今年も審査委員の間で議論となりました。ときとして申請者自身のオリジナリティが埋没しているものも見られたからです。もちろんそのような申請の中にも、個人としての創意工夫が盛り込まれ、申請者の独創性がアピールされているものも多く、審査委員としてはそのような申請には好感をもち、今後ともこの傾向が続くことを期待しています。

申請書類を見て感じることは、審査に当たるものにいかに自分の研究をアピールするか、という点の重要性です。その研究分野の専門家でなければ理解できない略号や実験技術、操作法などが頻出したり、また成果をどのように次の研究に結びつけていくかが明瞭でない申請も多々見受けられます。もちろん審査委員としてもできるだけの努力をしていますが、やはり他人に理解させる技術というものの重要性を改めて考えていただきたいと思います。とくに、研究の背景と、成果が与えるであろう波及効果の分かりやすい説明は、採択にきわめて有利にはたらくことを心にとめていただきたいと思います。

申請に当たって、旅費が40~50 %も占めるような計画があり、いささか配慮が足りないという指摘が審査委員から出されています。旅費が研究遂行上きわめて重要であるときは、そのことを明白に示して下さい。
 本助成に成は多くの申請があり、採択されることは必ずしも容易ではありませんが、審査委員としては助成金の趣旨にそって、若い研究者、女性研究者、外国人研究者の研究を励まし育成することをめざしていますので、このような研究者から今後とも活発な応募があることを期待しています。

生物系選考委員会委員長

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