平成21年度 複合系総評

今回、審査した申請計画書は、大部分が複合領域にふさわしいものでした。今年度は、特にバラエティーに富む独創的な研究課題が増えている印象をもちました。しかし、複合系の研究テーマは多岐にわたり、優劣をつけるのに苦労しました。総じて魅力ある研究申請計画が多く、予算の都合で一部しか採択できないのが残念です。以下、複合系の各分野の問題点を述べます。

生物に関連した研究課題では、「複合系」に申請するのか、「生物系」に申請するのか、よく検討してほしいと思います。理学療法や生命科学的な指標を利用しながら研究を遂行しようという研究課題が増えてきたのは望ましい傾向ですが、身体を対象とする研究と健康度を調査する研究の間をつなぐような研究が出てくることを期待します。

地学(地質学、古生物学、岩石学など)に関連した研究課題では、調査の方法や間口が広くなりすぎたり、実施計画の内容が過多になったり、調査対象の内容が曖昧であったりするものが見られました。本会の研究助成は単年度でできる範囲のものでありますので、その内容の検討はもちろんのこと、採択されたらすぐに取り掛かれることを念頭におくべきだと思います。地質時代の「地下微生物圏」に関する研究は、これまで大型化石で構築されてきた地史の補完に貢献できるので、今後の発展が期待されます。

看護の分野は、医療という常に動いており、かつ、多様性、複雑性の高い領域なので、モノを扱うようにはいかず、かなり実態をよく把握した上で、焦点を絞って取り組むことが重要と思われます。

研究費の申請額の半分近くが海外出張経費というものがありました。発表は翌年以降になるのが常識的であり、笹川科学研究助成では、助成金によって行われた研究成果の海外発表を研究完了後に支援していますので、利用していただきたいと思います。

複合系選考委員会委員長

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