平成22年度 生物系総評

22年度の申請は全体にレベルが高く、審査に苦労するほどでした。また、必ずしも「生物学の流行」にのらない、非モデル生物を対象とした研究も多く見受けられました。これは、多くの申請者が、本助成の趣旨である"新たなものを生み出し活用する「新しい知の創造」"ということをよく理解し、それに適合した研究テーマと研究計画をたてていることによると思われます。基礎的な研究も、その応用の方向も含めて魅力的なプロポーザルを多く見ることができました。

近年、学部4年生や修士課程1年生の応募者が多く、これは、他では援助を受けられないということで、本助成に期待しての申請と思われます。それ自体は本助成の趣旨にもあっていますが、特にこれまで成果がない申請については、審査員も判断の基準が難しいので、できるだけ明瞭に、1年の期間で何処までを明らかにするかを示すことが必要です。

申請書の書き方については、すでに何度も指摘されているように、必ずしも専門分野でない審査員もいることを考慮して、用語などについては分かりやすく記述する一層の工夫が望まれます。

研究経費についても、その内容が明らかでないおおざっぱな記述は、審査に当たって減点の対象になることを銘記してほしいと思います。もちろん、あらゆる消耗品を詳細に記述する必要はありませんが、それぞれの項目が研究遂行上どのように有効に活用されるかを、審査員に理解させてほしいと思います。同様に、研究発表のための旅費の獲得を主な目的にしているかのような申請も見られますが、これも評価が下がってしまいます。

さらに、多数の研究者を抱える大きな研究室所属の申請者からは、研究室を運営する責任者の意向が強く反映され、申請者個人の考え方が読み取れない研究計画も見られ、これについては、研究者の個性が表れる申請をお願いしたいと思います。

これまでデータが得られていない地域、最近特に研究者が減少している分野(例えば分類分野など)、新しい研究アプローチなどは、本研究助成が対象としている「他から援助の受けがたい地道な研究や研究者の立場」に該当する研究計画です。是非勇気を持って応募していただきたいと思います。

生物系選考委員会委員長

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