平成22年度 実践系総評

「実践研究部門」が創設されて以来、平成22年度の申請件数が最も少なくなりました。とりわけ博物館・図書館等の生涯学習関連分野の減少が目立ちました。その原因については、昨年同様に科学研究費による助成が可能になったこと、市町村合併による施設の統合・廃止、学芸員不足による研究時間の確保の困難さなどが考えられます。しかし、研究費助成を求めていないわけではなく、申請方法を把握していないこともあるように思われます。今後、博物館関連学会等に従来以上に具体的に応募に対する働きかけを依頼する必要があると考えます。

なお、平成22年度の申請の内容は、NPOや福祉の分野等に多様化・複雑化する社会の中で生起する課題にチャレンジしようとする本協会の助成方針に相応しいものが増えており、期待が持てるように思います。

また、必ずしも申請段階で成果がみえないとしても、新しい課題にチャレンジする研究と認められる研究への助成は十分配慮する必要があるでしょうし、海外の斬新なデータを調査・収集し、広く普及するなど、研究の成果が期待できるものは可能な限り海外旅費の助成について検討していきたいと思います。

今後、本実践研究部門への積極的な応募を奨励する観点から、平成22年度申請書評価をもとに、いくつかの留意点を挙げて参考に供したいと思います。

  1. 年々、本実践研究部門の趣旨が申請者に理解されつつあるように思われますが、申請に当たってはなお、実践現場から生まれる研究を重視してほしいという点の理解が不足しているように感じます。現場における実践研究が重要であることをあらためて理解し、研究計画を作成して欲しいと思います。
  2. 研究計画は綿密に作成することが必要です。その際、本助成の趣旨をふまえ、新規性、独創性についてもう一段の検討が期待されます。
  3. 研究計画と研究目的が重複している申請書が見られ、研究計画が不明確になっているものがあります。現地調査なのか、施設内アンケート調査なのか、文献調査なのかといった調査研究方法等について、具体的かつ明確に記述することが必要です。
  4. 前年度も指摘したことですが、現場での実践基盤としっかりした理論構築の確立により、実践研究の質的レベルアップが図られることになりますが、そのための大学等の専門機関等の研究者とのコラボレーションについて積極的に進めて欲しいと思います。
  5. 研実践研究の成果が、当該分野の向上に寄与できるのかという観点を計画の段階で考慮することが必要です。研究成果をどのように生かすのか、またそれが生かされるのか、研究計画書に明記していただきたいと思います。
  6. 同同一施設からの申請については、あくまでも実践研究としての研究計画、研究内容が重要であり、必要または緊要な研究と判断される内容であることが望まれます。
  7. 研究内容に沿わない費目、経費の必然性が不明確なもの、その機関又は施設が準備すべきものの支出計画は厳しい査定の対象になります。

実践系選考委員会委員長

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