平成23年度 実践系総評

平成23年度の「実践研究部門」の申請件数は、22年度と比較すれば増加しましたが、飛躍的に増えたわけではありません。そのなかで小中高校・大学の教員、各種専門学校、福祉施設や病院、NPO法人の職員等、幅広い分野からの応募が見られ、本協会実践研究の趣旨が次第に浸透しつつあるように思われました。とりわけNPO法人や福祉関連分野等の申請内容を見ますと、激変する社会、多様化・複雑化する社会のなかで生起する問題、課題に堅実に取り組んでいく姿勢が見られるものも少なくなく、その成果が期待されるところであります。こうした研究については、積極的な助成措置が必要であると考えます。

今後、実践研究部門へのさらなる応募を奨励する観点から、いくつかの留意点を挙げて参考に供したいと思います。

  1. 全体としては実践研究の趣旨が理解されてきておりますが、なお、実践研究にふさわしいテーマ・研究内容か、助成方針に合致しているかという点に疑問なしとは言えない申請も見受けられますので、そのことを十分に検討する必要があります。
    本実践研究は、実践現場から生まれる研究を重視しており、現場における研究が重要であることを理解して研究計画を作成してほしいことをあらためて強調しておきたいと思います。
  2. 実践研究の質的なレベルアップを期すために、現場における実践基盤とともに、しっかりした理論構築の確立が重要ですから、そのための大学等専門機関とのコラボレーションは今後さらに積極的に取り組んでほしいと思います。このことは、博物館等生涯学習関連施設における研究の場合にも該当するものであります。
  3. 研究計画は綿密な検討のもとに作成されるのは言うまでもありませんが、研究内容に新規性、開発性・独創性、将来性があるのか、また、その実践研究の成果が「当該研究分野の向上、活性化に寄与する」内容になっているのか、実際に成果をいかに活かすのか、計画段階において十分に検討し、計画書にそのことが明記されるようにしてほしいと思います。
  4. 研研究計画、研究内容に問題はないのですが、実践研究ではなく学術研究とみなされるケースもありました。この点についても計画段階で本実践研究の趣旨への理解をあらためて深めていただければと思います。
  5. 研究計画や支出計画には、所属機関の業務、所属機関で準備すべき経費とみなされるものも依然見られました。研究計画との整合性と合わせて留意することが求められます。研究内容に沿わない経費費目、計上経費の必然性が不明確なものについての支出計画の査定が当然厳しくなっております。
  6. 同一機関から複数の申請があるのは問題ありませんが、あくまでも実践研究にふさわしい研究内容、緊要の研究課題であるか否かが判断の基準になることを付言しておきます。

実践系選考委員会委員長

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