平成24年度 化学系総評

  1. 研究内容、および申請書のまとめ方が、年々進化しています。また、博士課程のかなりの方々は研究業績も立派で、大変頼もしく思います。その点、研究歴の浅い学生はアピールするものがやや乏しいという印象をぬぐい得ません。
  2. 『研究計画』の欄にイラストが増え、以前に比べ、内容を理解しやすくなりました。とはいえ、中には意味をとりにくいイラストも見受けられます。自分のイラストが、研究をアピールし読み手の理解を助けるものになっているか、提出前にもう一度チェックされることをお勧めします。
  3. 申請された研究内容の特徴を挙げておきます。
    全体に、研究対象がますます緻密化してきました。機能を見据えた分子デザイン、ナノデバイス設計、高度な計算シミュレーションなど、意欲的なテーマが増え、日本の若手研究者に大きな期待を寄せることができそうです。しかし、本助成の趣旨を考えますと、それら華やかなテーマとは裏腹の、いわば陽のあたりにくいテーマにももう少し目を向けてほしいという思いもいたします。
    有機合成化学、医薬品化学の分野では、①環境調和型の反応開発の研究、②医薬品のリード化合物の創成を目指す生理活性物質の開拓研究、③新規の酸化還元触媒・発光材料・半導体など有機機能性材料の開発、をテーマとした申請が増えています。
    高分子分野では、自己組織体や超分子に関する研究が散見されたことが特徴的でした。
    特記事項として、東日本大震災と福島原発事故に伴う電力不足や次世代のエネルギー問題を解決するための研究、例えば、太陽電池材料に関連するテーマなど、が複数あったことをあげておきたいと思います。
  4. 同一研究室から複数の申請を出されること自体は問題ではありませんが、申請した全員が全く同じ支出計画を提示するなど、ずさんな研究室もありました。申請書は、どんな場合も誠意を持って作成してください。

化学系選考委員会委員長

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