平成24年度 実践系総評

実践研究部門の助成が始まって6回目となりましたが、申請数は昨年度を下回りました。今日的な諸問題、新しい課題に果敢に研究しようとする人々のために、NPO法人を含む幅広い分野を対象とし、年齢制限を設定しないところに本部門の特徴があります。その点では、平成24年度の申請を見ますと国公私立大学の教員を含む多分野からの応募があり、全体として研究課題の多様化、博物館等生涯学習関連施設の研究課題・内容のレベルアップが見られ、確実に助成の趣旨は広がっていると思われます。ただし、今後さらに本実践研究部門への申請を奨励する観点から、以下のようなことに留意し積極的にチャレンジしていただきたいと思います。

  1. 本研究部門の場合、実践研究の対象となる現場から生まれる研究の発想を重視しております。したがって、申請に当たっては、その現場における実践に根差した研究が重要になることを理解する必要があります。その肝心の現場が見えない研究計画にならないよう、計画立案において留意してほしいと思います。
  2. 本実践研究助成は、広く生涯学習施設や福祉関連施設、小中高校・大学の教育分野の活性化に寄与するもの、さらに研究の成果がそれらの分野の発展に寄与できるものであることが重要であると考えております。このため、可能な限り自己または所属する組織のための極めて狭い、限定的な内容にならないように留意していただきたいと思います。研究成果をどのように活かすのか、計画書にそのことを明記することが必要です。
    24年度の博物館の研究において、自分の館の資料の研究や展示制作に関することから、異業種交流・地域連携プログラムの開発と定着化に関する実践研究に取り組み、その成果を全国の博物館活動の参考資料として提示しようという研究計画が見られました。これは実践系部門にとり大きな進歩です。こうしたことも参考にしてほしいと思います。
  3. 一方、研究計画の実施方法として、アンケート調査なのか、ヒアリングなのか、或いはフィールドワークなのか、不明確なものも見られます。研究目的に照らして、研究計画を綿密・具体的に作成する必要があります。
  4. 研究計画を綿密に作成することと併せて、研究内容に新規性、開発性・独創性、将来性については、なお一層の努力を求めたいと思います。
  5. グループまたはプロジェクト研究としての申請については、全体の研究概要、申請者の位置づけ、研究内容、研究成果の活用などの点を明確にする必要があります。
  6. 震災関連の研究には今後も期待したいと思いますが、この点での24年度の申請件数は少ないうえに、研究内容・方法にもう一歩の努力が必要であると感じました。
  7. 研究計画作成に当たっては、機器の購入、外国旅費も必要な場合がありますが、それが真に妥当なものかどうか十分に検討する必要があります。少なくとも外国旅費などが目当ての申請とみなされるものは論外です。
  8. 既に本実践系の研究助成を受けた人でも、研究内容が新規性、独創性等に富み、その分野の発展に欠かせない優れた研究とみなされれば、助成から除外されることはありませんので、付言しておきます。

実践系選考委員会委員長

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