会長ごあいさつ

今から90年以上も前、1924年(大正13年)に国内の科学者200余名が参集して、科学者相互の協力と科学知識の普及を目的とした財団法人科学知識普及会が発足しました。そして、1944年(昭和19年)には、財団法人日本科学協会と改称し、第二次世界大戦の影響による休止期間を経た後、1975年(昭和50年)から日本財団の資金交付を受けて再発足し、1988年(昭和63年)から若手研究者のための研究助成を主たる業務として実績をあげて参りました。この笹川科学研究助成の特色は、若い研究者自身が発想する萌芽的研究でありながら、他から助成を受けにくい分野の有望な各個研究を支援するところにあります。開始から27年で、すでに8,000件を超える研究課題に対して総額40億円以上の支援をいたしました。現在は学術研究6部門に実践研究部門を加え、7部門に助成を行っております。また、青少年のための科学体験祭りや、体感型実験装置の作製等、科学に関する各種の事業も展開して参りました。

一方、1999年に始まった中国の大学を対象とした教育・研究図書寄贈事業は、すでに中国各地の47大学1研究機関に総計325万冊以上を寄贈し、中国の研究者や学生たちの日本理解に寄与してきました。さらに、中国各地域の大学で行ってきた日本の知識を競う大会は、2011年に全国規模での初めての大会が南京大学で開催され、日中の緊張状態が長期化する中にあって、2013年は北京・中国人民大学で開催されました。また、中国青年報社と人民中国雑誌社との共催による中国で行う作文コンクールは、日本語と中国語のどちらでも応募できるので、日本語を学ぶ学生のみならず、農村や都市部で働く青年層が日本をどう見ているかがよくわかります。

日本においては、2011年に発生した東日本大震災は、地震や津波に加えて、福島第一原子力発電所の事故、電力不足、物資・物流の停滞など多くの要素が重なる未曾有の複合的な大災害になりました。このような災害を受けて、国民の方々の日本の科学と科学技術への信頼は大きく揺らぎましたが、国民が科学のあり方についてもう一度考え直す機会ともなりました。戦後の日本は、先進諸国の真似をしながら科学技術に改良を加え、より安く・信頼性の高いものを造って成功した社会でありました。しかし未曾有の大震災を経験した現在、日本は独自の発想による新しい科学技術に挑戦することによって、21世紀の日本経済を発展させてゆかねばなりません。今は、日本人がどのように科学と科学技術に立ち向かうべきかが問われている時代といえましょう。

2012年(平成24年)4月、財団法人日本科学協会は、公益財団法人日本科学協会として再発足し、今まで以上に日本の科学振興と教育の発展のために力を尽くして行こうと決意致しました。日本科学協会は、将来を担う小学生から大学院生までの若い方々へのさまざまな支援を通して、日本における新しい科学と科学技術が、世のためヒトのために還元されて、社会の中で健全に発展するように活動してゆきたいと思っております。今後ともどうぞよろしくご支援のほどお願い申し上げます。

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公益財団法人 日本科学協会

会長 大島 美恵子

(医学博士・東北公益文科大学名誉教授)

日本科学協会とはThe Japan Science Society

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本会の主な事業は、ボートレースの交付金による日本財団の助成金を受けて実施しております。