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協会の助成活動

科学隣接領域研究会

科学隣接領域研究会とは

日本科学協会はこれまで若手科学研究者の研究助成に注力してきた中で、環境・安全などの社会的システムや、研究者の倫理・社会的責任など、科学者のあり方の問題が重要になってきたと考えていた。こうした情勢に鑑み、哲学・倫理・宗教など隣接領域と科学のあり方を問い直すため、この度専門家とともに本研究会を立ち上げることとした。
われわれの次の目標は、科学技術がそれだけで立っているのでなく、さまざまな文化的、社会的、政治経済的システムの中にあることを自覚していかなければならないという反省に立って、若手研究者が、立派な創造的研究者に育つと同時に、人間性豊かな社会人に、世界に通用する国際人になっていくことに協力することである。
この研究会において、宗教文化、倫理思想、芸術文化という、哲学的テーマから科学の本質とは何かを探る。

創造的研究者」を目指す 人材育成事業

 研究者としての「素養」を育て、「創造的研究者」への育成を目指す「科学隣接領域の研究」事業を、若手研究者支援の一環としてスタートする。

 研究者が、将来科学を通して様々な課題を解決し、より良い社会を築くことに貢献するには、自分の専門分野にとどまらず、視野を広げて人間性豊かな研究者になることが必要であると考え、「哲学」分野の中でも「宗教」「倫理」「芸術」という領域にスポットを当て、若手研究者が視野を広げ、将来「創造的研究者」となる人材育成を目指す。

お知らせ ※研究会の内容が一部PDFで見られるようになりました、該当研究会をクリックしてください※

2019年11月21日
 10/26セミナー「未来をひらく 科学と倫理」の報告をUPしました。
2019年11月7日
 第十一回科学隣接領域研究会が開催されました。
2019年10月26日
セミナー「未来をひらく 科学と倫理」を開催いたしました。ご参加くださった皆様ありがとうございました。実施報告書をUPしました。
2019年10月23日
 10/26セミナー「人類の生存と宇宙進出の問題」の概要をUPしました。
2019年10月21日
 10/26セミナー「AI時代の科学技術倫理」の概要をUPしました。
2019年10月18日
 10/26セミナー「合成生物学の衝撃」の概要をUPしました。
2019年10月16日
 10/26セミナー基調講演「3.11以後の科学技術と社会倫理」の概要をUPしました。
2019年5月14日
 第十回科学隣接領域研究会が開催されました。
2019年4月4日
 第九回科学隣接領域研究会が開催されました。
2019年1月24日
 第八回科学隣接領域研究会が開催されました。
2018年4月5日
 書籍「科学と宗教 -対立と融和のゆくえ-」が4月25日に発売されます。
2018年1月17日
 第七回科学隣接領域研究会が開催されました。
2017年11月13日
 第六回科学隣接領域研究会が開催されました。
2017年10月27日
 臨時科学隣接領域研究会が開催されました。
2017年8月28日
 第五回科学隣接領域研究会が開催されました。
2017年7月2日
 セミナー「木魂する科学とこころ」を開催いたしました。多数のご参加をいただきありがとうございました。
2017年4月11日
 第四回科学隣接領域研究会が開催されました。
2017年3月3日
 第三回科学隣接領域研究会が開催されました。
2016年12月21日
 第二回科学隣接領域研究会が開催されました。
2016年10月14日
 第一回科学隣接領域研究会が開催されました。このリンクは別ウィンドウで開きます
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研究テーマ

隣接イメージ

技術はあるのに技術と技術をつなぐ発想力が足りなければ、画期的イノベーションは生まれないであろう。科学技術の世界では異種分野の融合と浸透が新たな発展をもたらす。そのためには蛸壺研究者であってはならず、絶えず幅広い国際的な視野と深い教養へのアンテナを磨く必要がある。その手がかりになる試みを、まず小規模な研究会から出発して、その輪を広げて講演会、パネル討論、出版その他の形で問いかけていこうというのが、科学隣接領域の研究会創出という今回の提案である。
ここでは、①科学と宗教、②科学と倫理、③科学と芸術、の3分野を重点的に吟味したい。

オウム真理教の事件は、信者科学技術者による痛ましいサリン事件となった記憶も新しい。宗教と科学の根本的違いを自覚する必要がある。同時に宗教の多様性に無知であっては、立派な国際人になれない。信仰は強制してはならないが、理解し容認することが大切である。

STAP細胞の問題は研究の欺瞞問題を浮彫にした。科学界の逸脱行為(ミスコンダクト)は、科学者社会の誠実さや透明性を信じるものに冷や水を浴びせる結果になった。研究者の倫理問題は、狭い意味での研究室内部でも、広い意味での社会的責任の場面でも、常に問われている。

科学✗倫理が未来を開く セミナー

現在の仕事の少なからぬ部分は自動化できるといわれる。すると少なくとも人間に残される仕事は科学技術系と芸術アーツ系ともいわれる。人工知能の問題はここでも影を落としている。芸術の分野ではすでに大胆に科学技術の成果を取り込んでデザインに結びつけている(例えばオプティカル・アート)。科学界からも、もっと芸術のデザイン力に注目すべきなのである。

研究会(コアメンバー)

  • リーダー
    金子 務
    【所属】
    大阪府立大学 名誉教授
    国際日本文化研究センター共同研究員
    【専門分野】
    科学技術史、科学哲学
    • 日本科学協会元役員(評議員、理事)
    • 『アインシュタイン・ショック』(1981年、河出書房新社、のち岩波現代文庫)で第3回サントリー学芸賞
    • 『江戸人物科学史』(2005年、中公新書)他
    • 編著『宮澤賢治イーハトヴ学事典』(2010年、弘文堂)、『エネルギーを考える』(2013年、作品社)等

    コアメンバーインタビュー

  • サブリーダー
    酒井 邦嘉
    【所属】
    東京大学大学院総合文化研究科 教授
    【専門分野】
    言語脳科学、脳機能生理学
    • 『科学者という仕事』(2006年、中公新書)
    • 堀田凱樹共著『遺伝子・脳・言語―サイエンス・カフェの愉しみ』(2007年、中公新書)
    • 『言語の脳科学』(2002年、中公新書)で毎日出版文化賞受賞
    • 『科学という考え方』(2016年、中公新書)

    モデレーターインタビュー

  • メンバー
    前野 隆司
    【所属】
    慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授
    【専門分野】
    システムデザイン・マネジメント、ロボティクス、幸福学、感動学、協創学
    • 『脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』(2004年、筑摩書房)
    • 『幸せのメカニズムー実践・幸福学入門』(2013年、講談社現代新書)
  • メンバー
    安藤 礼二
    【所属】
    多摩美術大学美術学部 教授
    【専門分野】
    文芸評論、日本文化論
    • 早稲田大学第一文学部考古学専修課程卒業後、出版社に勤務
    • 『光の曼陀羅 日本文学論』で第3回大江健三郎賞、第20回伊藤整文学賞受賞
    • 『折口信夫』で角川財団学芸賞、サントリー学芸賞受賞
  • メンバー
    植木 雅俊
    【所属】
    NHK文化センター 講師
    【専門分野】
    仏教思想
    • 九州大学理学部物理学科卒、お茶の水女子大学から博士(人文科学)の学位を取得(男性初)
    • 中村元氏(インド哲学者、仏教学者)最後の弟子
    • 『梵漢和対照・現代語訳 法華経』(上・下)で、2008年に第62回毎日出版文化賞を受賞
    • 『梵漢和対照・現代語訳 維摩経』(岩波書店、2011年)でパピルス賞を受賞
    • 『仏教、本当の教え――インド、中国、日本の理解と誤解』(中公新書、2011年)
    • 『人間主義者、ブッダに学ぶ』(学芸みらい社、2016年)
  • メンバー
    岡本 拓司
    【所属】
    東京大学大学院総合文化研究科 教授
    【専門分野】
    科学史、技術史
    高等教育史
    • 金森修編著『昭和前期の科学思想史』、『昭和後期の科学思想史』(2011・16年、勁草書房 共著)
    • 『科学と社会:戦前期日本における国家・学問・戦争の諸相』(2014年、サイエンス社)

    モデレーターインタビュー

  • メンバー
    正木 晃
    【所属】
    慶應義塾大学文学部非常勤講師
    【専門分野】
    宗教学
    • 『現代日本語訳 法華経』(2015年、春秋社)
    • 『性と呪殺の密教』(2002年講談社選書メチエ、2016年ちくま学芸文庫(増補版))
    • 『密教』 (2004年、講談社選書メチエ 2012年、ちくま学芸文庫)
    • 『マンダラとは何か』(2007年、日本放送出版協会〈NHKブックス〉)
    • 『宗像大社―古代祭祀の原風景』(2008年、日本放送出版協会〈NHKブックス〉)
    • 『空海と密教美術』(2012年、角川学芸出版・角川選書)
    • 『現代の修験道』 (2011年、中央公論新社)他
  • メンバー
    廣野 喜幸
    【所属】
    東京大学大学院 総合文化研究科  教授
    【専門分野】
    科学史、科学論、応用倫理学、リスク論、進化学
    • 『サイエンティフィック・リテラシー』(2013年、丸善)
    • 『科学コミュニケーション論』(2008年、東京大学出版会)藤垣氏との共編
    • 『生命科学の近現代史』(2002年、頸草書房)林真理・市野川容孝両氏との共著
  • メンバー
    前田 富士男
    【所属】
    慶應義塾大学名誉教授
    【専門分野】
    西洋近代美術史、ゲーテ自然科学、芸術学
    • 『パウル・クレー 造形の宇宙』(2012年、慶應義塾大学出版会)
    • 『色彩からみる近代美術 ゲーテより現代へ』(編著、2013年、三元社)
    • 『コスモス』 (共著、2014年、慶應義塾大学アート・センター・ブックレット)
    • 『わが内なる神秘のスペイン グノーシスを描く大西甲二』(共著、2017年、美術出版社)他
  • メンバー
    外山 紀久子
    【所属】
    埼玉大学大学院人文社会科学研究科 教授
    【専門分野】
    美学、芸術学(舞踊論、現代アート)
    • 『帰宅しない放蕩娘―アメリカ舞踊におけるモダニズム・ポストモダニズム』 (1999年、勁草書房)
    • 『musica mundana:気の宇宙論・身体論』(編著、2015年、埼玉大学教養学部リベラル・アーツ叢書6)
    • 『老いと踊り』(共著、2019年、勁草書房)他

コアメンバーインタビュー

これから世界に羽ばたきたいすべての人へ

プロジェクトリーダー 金子 務氏 (大阪府立大学 名誉教授)

日本科学協会の新たなブロジェクト科学隣接領域研究会。哲学・倫理・宗教など隣接領域と科学のあり方を問い直すこのプロジェクトについて、科学技術史、科学哲学を専門とするリーダーの金子務先生にお聞きした。

金子 務
(大阪府立大学 名誉教授 国際日本文化研究センター共同研究員)
【専門分野】科学技術史、科学哲学
  • 日本科学協会元役員(評議員、理事)
  • 『アインシュタイン・ショック』(1981年、河出書房新社、のち岩波現代文庫)で第3回サントリー学芸賞
  • 『江戸人物科学史』(2005年、中公新書)他
  • 編著『宮澤賢治イーハトヴ学事典』(2010年、弘文堂)、『エネルギーを考える』(2013年、作品社)等

幅広い視野を有し相対的な価値観を持つことが、これからの科学者に求められる資質

何を目的に、この研究会を設立されたのでしょうか

1995年に発生したオウム真理教による「地下鉄サリン事件」、また近年においては理研におけるSTAP細胞に関する事件などを経て、今は科学研究者に対して、その社会性や倫理性が高く求められる時代になっています。
また、グローバル化する現代において、科学研究者のみならず、海外でも活躍しようとするビジネスマン等においては、国際的な知見、教養は当然求められ、日本独自の文化観だけでなく、世界におけるさまざまな文化観への知見および理解が当然求められるわけです。日本科学協会を通じて、若手研究者の助成を行ってきた我々としては、こういった問題に関しても取り組む必要性があると考え、この研究会を発足しました。
助成対象である若手研究者は、いずれはそれぞれの研究業績を基に、日本における指導的な科学研究層を担っていく世代になります。彼らが指導的立場を担う世代になったとき、それまで研究してきた専門領域に関しては“蛸壺的”に掘り下げて精通しているが、異なる領域に関してはあまり理解していないということになると、これは社会人として問題ではないかと考えるわけです。ましてや、現代はグローバル化されており、国際人としての資質も問われている。
科学には国境はなく、世界的な問題に対する基本的理解、認識、関心を持つことが要求されるのは必然です。
そういった考えから、本研究会では、まずは「宗教」「倫理」「芸術」という科学に対する3つの隣接領域を取り上げ、これらへの理解を深めていただくことを目的とした活動を行おうと考えています。

科学者のモラルについて、現状はどのような課題があるのでしょうか

これは今の若い研究者に問題があるということではなく、普遍的な問題であると考えています。
科学者に限らず、人間は何かに邁進するにつれて、それ以外のことへの関心が薄れ、社会性が欠落する可能性がありますが、科学界においてはそれが顕著に現れることがあります。これは「パブリッシュ・オア・ペリッシュ」(publish or perish) という言葉に表されるような、競争原理を優先するがゆえに疎かになる社会的な問題です。
ある意味、科学研究者は自身の研究課題に“蛸壺的”に取り組むあまり、研究結果がもたらす社会的な影響などへの関心が薄れ、それにより社会的な判断力を失う可能性があります。それが、先に述べたような社会的な事件へとつながるのです。研究対象だけでなく、隣接する領域への関心を持ち、それらへの知見を深めておけば、そういった事件に巻き込まれることはないだろうと思います。
また、現在は「第4次産業革命」といわれ、社会的にも新たな課題が表出しつつあります。ワットの蒸気機関に始まる第1次産業革命、電気技術の登場による第2次産業革命、コンピュータの発明による第3次産業革命に続き、現在は世界的ネットワークの登場による第4次産業革命の時代であり、一般社会的な問題としてシンギュラリティ(AI・ロボット技術成熟などの特異点)など、すでに空想ではなく現実的な問題として語られているわけです。こういった時代において、科学研究者はより社会性が求められることは当然です。
しかし、現状においては科学界においてさまざま事件が起こっている。科学が圧倒的な力を持つ今だからこそ、科学研究者の社会性や倫理性を再認識する必要があるのです。

科学研究者に限らず、多くの人に啓発したい

研究会として、今後どのような活動を考えているのでしょうか

競争原理や効率性重視といった傾向は、ある意味危険性を孕んでいると思います。近年、国家的に進められている大学教育政策は、専門領域以外の教育が簡素化される傾向にあり、これは日本科学界の弱体化にもつながるであろうという危惧を抱いています。
これからの時代を担う若手研究者には、自身の研究課題に“蛸壺的”に取り組むのではなく、人間の社会文化といった領域にもより関心を持ち、社会的な人としての教養を持っていただきたいと考えています。国際的に活動するという視点においても、こういった教養は必要となります。
本研究会では、科学の隣接領域として、まずは「宗教文化」「倫理思想」「芸術文化」の3つを取り上げたセミナーを実施していきます。
セミナーでは、科学界だけでなく、宗教、倫理・哲学、芸術といった分野で先進的研究を行っている諸先生方にご登壇いただきます。領域を超えた先進の研究を一同に会するというセミナーは大変貴重な体験であり、若手研究者はもちろん、これからの科学界を目指す学生や国際的に活躍したいと考えているビジネスマンなどにも是非ご参加いただきたいと思います。
また、研究会およびセミナーを通じて、科学隣接領域に関する書籍を発行すると同時に、若手研究者や学生、さらには一般の方々が理解しやすいようなかたちでハンドブックも作成したいと考えており、ハンドブックは日本科学協会が実施する助成対象者にも配布していきたいと考えています。

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