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公益財団法人 日本科学協会

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採択情報・選考総評

2023年度数物・工学系総評

数物・工学系選考委員会委員長

 数物・工学系の申請課題は、宇宙・地球科学、素粒子物理学、物性物理学、材料科学、計測工学、環境科学、都市・建築工学など広範囲に跨っています。2023年度の申請では、材料科学と計測工学の申請課題が多く、申請件数の約半数を占めており、社会の要請に対する貢献と波及効果に対する意識の強さが印象的でした。各分野での総評は下記の通りです。

  1. 宇宙・素粒子物理学分野では、素粒子理論が大半でした。レベルの高い申請課題が多く、高度な数理的知識が要求されるため、評価要素である「独創性または萌芽性」に関して独自性を出しにくい印象がありました。
  2. 物性物理学の分野では、理論と実験がほぼ同数であり、最先端の計測技術の開発や新奇な物性現象の開拓に取り組む申請課題が多く、今後の発展に期待します。
  3. 材料科学の分野では、研究対象は多岐にわたっており、社会に対する貢献と波及効果の意識の強さが感じられました。材料科学に関する理論は少なかったですが、今後の課題として、量子情報など現在の最先端科学の動向を見据えた先導的な材料提言の申請が望まれます。
  4. 機械工学・計測工学の分野では、身近な研究対象が多く、多様性に富んでいました。また、医工連携や異種領域での学際的研究や新規技術開発に関する優れた申請が多く、将来に向けて大いに期待します。
  5. 環境科学や都市・建築工学の分野では、女性の応募者が多いことが印象的でした。また研究対象や目的が明確であり、1年間の研究テーマとして相応しいものが多くありました。


 申請者(申請時)は、学部生、大学院博士前期課程および後期課程、博士研究員、助教などに跨っていましたが、大学院生の申請者が約80%を占めており、総じてレベルの高い申請課題が多くありました。採択されなかった申請課題でも多いに期待でき、次回の申請に期待します。

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